煮干しの胃内容物!
理科研究室新聞
編集:小県東部中学校理科教科会
○ 煮干しの胃内容物を探る ○
(海の食物連鎖追究のために)

内容の詳しいことは、研究内容の平成10年度版をご覧下さい。この年は生物分野の追究で、特に食物連鎖に注目してきた。
その研究の中で、現実には追究することが難しい海の食物連鎖を、身近な食材である煮干しを利用して追究していった。
1、煮干し
煮干しは日本伝統の食品であり、直接食べるというよりは、日本独特の「うまみ」成分を出すひとつとして位置づいている。 この煮干しを背骨に沿ってカットすると、腹部に胃の存在を確認することができる。黒っぽくなっているのが内蔵です。分かりますか。
乾燥状態で解剖し接写してみました?残念ながらはっきりしませんが、黒い部分が今回解剖して観察しようとしている胃のあるあたりです。
 
↓下 取り出してみた胃の部分
↑上 30分ほどお湯につけたものは柔らかくなり解剖しやすくなる。    
頭部の下あたりに胃は見える。
この胃の中身を取り出し、スライドガラスになすりつけた後薄くのばし、カバーガラスをかけて検鏡すると・・・・↓


2、煮干しの胃内容物内で発見した生物性のもの
×150 ×600
×150 ↑上の2つの写真は甲殻類(エビの仲間)の一部。
←左はケンミジンコの一部と考えられる。
海の食物連鎖を追究させるに当たって長野県では実感するのがかなり難しい
しかし身近にある煮干しを使いその胃内容物からより小さな生き物を食べていることを検証することができる。発見されるのは甲殻類の一部や珪藻類の全体やその破片やが中心である。
コシノディスカス
×150
×600
コシノディスカスの破片と思われる。
ナビクラの仲間等(赤ペンで囲ったところ)     (赤はペンの跡)
珪藻の一種
   ↑上  これらははっきりしませんが生物性のものと考えられます。
 ←種は分かりませんが、魚類の鱗の一部です×600 


  • 普段「だし」をとるのに使っているあの煮干しの胃から生物性の物の発見は、教師自身が感動しました。方法は簡単ですから是非ためしてください。なお、売っている煮干しによって見えてくるものが当然違ってきますのでいくつか用意するといいです。
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