1人一研究 「二種類の帰化植物について」 | 小学校6年生の「自由研究」です。一研究の参考になればと思います。普段の疑問を大切にしていくことが大切と考えます。 2001.8月掲載 |
帰化植物について ビロードモウズイカとアレチマツヨイグサについて調べる! |
この研究は、3年から始めた継続研究です。3年のとき自分の身の回りにどんな植物があるのか、その疑問からこの研究は始まりました。野帳ノートとカメラを持ち、犬の散歩コースにある花が咲いている植物を中心に調べていきました。野帳ノートには簡単に地図を書いておき、植物がどこにあったか書いていきました。カメラはどこに、どのように咲いているかとりました。その他、どんな花かを分かりやすくするために植物を取り、押し花にして研究の一部にしました。5年には特に興味を持ったビロードモウズイカ、アレチマツヨイグサについて調べていきました。そして、今年、6年の研究です。 | |||
T.やろうとしたわけ | |||
以前、お城の周りの植物を調べていたら、お堀の周りに今はもうないのだが不思議な形をした植物を発見した。それを調べると、ビロードモーズイカという名前であることが分かった。一昨年から興味を持ち、昨年調べ始めた外国から来た植物のビロードモウズイカとアレチマツヨイグサの特徴やその広がり方をさらに調べたいと思いました。 ●昨年(平成11年度)は次のような点を調べた。 1.ビロードモウズイカとアレチマツヨイグサの形などがどうなっているのか知りたかった。 2.昨年調べるとビロードモウズイカは、ほとんどぽつんと咲いていることが多いのが不思議だった。それに対して、アレチマツヨイグサはあちこちにたくさん咲いているのを見つけることができた。本当にそんなふうに咲いているのか知りたかった。 3.ビロードモウズイカとアレチマツヨイグサでどうして咲いている様子がだいぶ違うのか知りたかった。 今年の咲き具合を観察しているとビロードモウズイカの広がり方が大きくなっているように感じた。そこで、分布の様子と、分布が広がるのに都合のよい点を見つけようと考えた。 ●今年(平成12年度)の調べる点 今年の咲き具合を観察しているとビロードモウズイカの広がり方が大きくなっているように感じたので、 分布が広がるのに都合の良い点を見つけようと考えました。 1.ビロードモーズイカとアレチマツヨイグサの咲き具合を再度確認する。昨年に比べての変化の様子。 2.ビロードモウズイカとアレチマツヨイグサの形などが、仲間を増やすのにどのように都合のよう形になっているか。 3.ビロードモウズイカとアレチマツヨイグサで咲いている様子が違うのか原因を、発芽率や芽の成長の様子等々から考える。 |
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U.やり方 |
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1.ビロードモーズイカとアレチマツヨイグサの咲き具合を再度確認する。昨年に比べての変化の様子。
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V 結果 |
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1.ビロードモーズイカとアレチマツヨイグサの咲き具合を再度確認する。昨年に比べての変化の様子。 (咲いている場所の広がり方等々ビロードモウズイカとアレチマツヨイグサの見られたところ) (ビロードモウズイカとアレチマツヨイグサの分布の状況) |
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散歩コース(平安堂近くの駐車場) | ||
上田市民体育館の裏の所。観察後ここのビロードモウズイカは刈られていた。 | ||
三中の上の住宅地にある空き地の植物達。↓ | ||
八幡様近くの駐車場の端に咲くビロードモウズイカ ↓ | ||
← 上田市岩下の空き地に咲いているビロードモウズイカ |
【今年咲いていたところ@】 | |||
ビロードモウズイカの花の部分↑ |
←拡大したところ |
【今年咲いていたところA】 | ||||
A咲いている様子のタイプ分けと場所 他の植物と一緒に咲いている ●三中上の空き地 空き地に何本も咲いている ●パチンコ店隣駐車場 ●岩下空き地 (1) ●岩下空き地 (1) ●千曲川古舟橋近く コンクリートのすき間等々に咲いている ●ワンワン村近くの閉鎖されたガソリンスタンド ●岩下空き地 (2) ●市民体育館北西 ●ハープ橋近く
2.ビロードモウズイカとアレチマツヨイグサの形などが、仲間を増やすのにどのように都合のよくなっているか。(高さと穂の数の関係、花の数の関係、種の数の関係:場所毎にまとめる) | ||||||
(1)まとめる方法:背の高さを測る、穂の数を数える。グラフにして特徴を調べる。 花の数がかなりあるので、穂の長さ2cmあたりの花の数を数え、穂全体でどのくらいになるか計算してだす。さらに、ひとつの花にできる種の数を数え、全体でどのくらいできるのか計算してだす。 ○花の数の求め方 穂の長さ÷2cm×13(12〜14個) ○種の数の求め方 720(715〜722)×花の数 |
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(2)結果1 | ||||||
@ニューヨークハ゜チンコ店となり | ||||||
高さcm | 穂の数 | 穂の長さ | 予想される花の数 | 種の数 | ||
A 国道よりぞい岩下 | ||||||
高さcm | 穂の数 | 穂の長さ | 予想される花の数 | 種の数 | ||
B国道よりぞい岩下2 | ||||||
高さcm | 穂の数 | 穂の長さ | 予想される花の数 | 種の数 | ||
C第三中学校の裏 | ||||||
高さcm | 穂の数 | 穂の長さ | 予想される花の数 | 種の数 | ||
D千曲川古舟近く | ||||||
高さcm | 穂の数 | 穂の長さ | 予想される花の数 | 種の数 | ||
Dについては、この数の数倍のビロードモーズイカがあった。調べなかった物の中には、昨年咲き、枯れてしまった(昨年咲いたと思われる)物も多かった。 |
(3) (2)の結果1から作成したグラフ(高さと穂の数の関係)・・・・省略
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(3)ビロードモウズイカとアレチマツヨイグサで咲いている様子が違うのかそのいん原因を、発芽率や芽の成長の様子等々から考える。 仲間を増やすために都合の良い点を探す。 |
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@ぬらした脱脂綿に蒔いた種の発芽・成長の様子 ・特徴:5mm間隔、1cm間隔、バラバラ等々 ・観察日記(詳しくは野帳参照):略 |
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ビロードモーズイカ 5mm間隔、バラバラ |
アレチマツヨイグサ 5mm、1cm間隔、バラバラ |
コスモス 1cm間隔 |
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8/10 | 8/15 5mm |
8/10 | |||
8/15 | 8/15 1cm |
8/15 | |||
8/15 バラバラ |
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A芽(双葉や・根が出た割合)・・・3種類の発芽の様子・・・・省略 | |||||
4、分かったこと |
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(1)ビロードモウズイカとアレチマツヨイグサの咲き具合を再度確認する。昨年に比べての変化の様子。 |
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@咲いている場所 | |||||
*アレチマツヨイグサについては、昨年うめつくされるほど多かった信濃毎日新聞上田支社となりの資材置き場には、ほんの少しになっていた。 *アレチマツヨイグサが広がっていたところは、カインズホームのある通りの空き地だった。 *浅間サンラインや国道18号線沿いには昨年同様たくさんのアレチマツヨイグサが発見できた。 *パチンコ店となり駐車場では昨年咲いていたアレチマツヨイグサがなくなってしまい、ビロードモウズイカに変わってしまっているのには驚いた。 *国道18号線沿いの「岩下」では、昨年と同様に咲いていたが、その隣の空き地にもビロードモウズ イカを今年初めて発見することができた。 *地図に入ってはいないが、菅平口に咲いているのを発見することもできた。 *千曲川古舟橋の近くの土手に、また近くの道路のアスファルトの隙間に多くのビロードモウズイカを発見することができた。土手については昨年のものが多く見られた。(昨年は発見できなかった。) ○咲いている場所について、自分の家の近くについてアレチマツヨイグサは全体的に見て少なくなっているように感じた。しかし、郊外では昨年と同じようにどこにでも見られた。 ○おととし・昨年に比べビロードモウズイカの生えている場所が増えているように見えた。 |
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(2)咲いている様子 | |||||
○生えている様子については3つのパターンがあった。 |
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@いくつかの植物(ビロードモウズイカ、アレチマツヨイグサ、ヒメムカシヨモギ、コスモス)が一緒に咲いている。 Aコンクリートやアスファルトの隙間に咲いている。 B空き地に同じ種類の花が数多く咲いている。 *@の場合ビロードモウズイカは、おととしに比べて減ってきていた。アレチマツヨイグサは広がりが大きくなっていた。他にヒメムカシヨモギが沢山咲いていた。 *Aの場合はビロードモウズイカが目立った。アレチマツヨイグサは多いわけではなかった。 *Bの場合、ビロードモウズイカを今回2カ所で発見したが、そうなる条件がいくつもありそうである。 これからどうなっていくか興味がある。アレチマツヨイグサは何カ所でも発見できた。 ○ビロードモウズイカは沢山の植物の中では、広がりにくい感じがした。 ○隙間のような所では他のものより先に、芽を出せば、育ちやすいように感じた。 ○空き地に同じ種類で寄り添って咲くものは、これからどうなっていくのか疑問である。 Aビロードモウズイカとアレチマツヨイグサの形等々が、仲間を増やすのにどのように都合の良い形になっているか。(今年増えているように見えたビロードモウズイカを中心に調べてみた。) 予想:沢山の種ができるほど仲間は増えると思う。 *そのためには、沢山の花を付けるだろうと思う。 *沢山の花を付けるには穂が沢山ある方が良いと思う。 *穂が沢山のものは背が高そうに感じる。 そこで、背の高さと穂の数の関係を調べてみた。(できる種の数) *ビロードモウズイカは昨年咲いたと思われる穂のかたまりの上の部分からまた穂のかたまりが出ていた。茶色くなった穂のかたまり(昨年咲いた穂)の上から新しく今年咲く(咲いていた)花を咲 かせながら伸びていた。 *予想したとおり成長するほど穂の数が多くなっている。 *ある一定の高さ(100cm)を超えると、ほぼ比例して穂の数が増加している。 *たねを直接数えることはできなかったがおよその数を計算で求めてみたところ、一本のビロードモウ ズイカで最高190万個の種ができると考えられた。(背の高さ254cm) 穂の数が多いほど花の数が増え結果的に種の数ができると考えたが、成長さえすれば穂の数も増え、 種を多く作ることが分かった。そこまで成長するものは多くないように思った。 |
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(3)ビロードモウズイカとアレチマツヨイグサで咲いている様子が違うのか、その原因を、発芽率や芽の成長の様子等々から考える。 |
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○3中上の空き地にはビロードモウズイカ、アレチマツヨイグサ、ヒメムカシヨモギの他にコスモスも見られた。 ○蒔いた種ができるだけ沢山、芽ができる方が増えやすいはずと思い沢山見られるアレチマツヨイグサや増えてきているビロードモウズイカは沢山芽が出るだろうと考えた。 *ビロードモウズイカはたねをまいてから2・3日に芽が出てくることが分かった。芽が出るまでには時間がかかるがそのあとは急激に伸び始めた。 *アレチマツヨイグサも2・3日して芽が出てきた。 *コスモスは種が大きく、「蒔いてから何日目に咲くのかのグラフ」でも分かるように、蒔いた次の日にすでに芽が出ていた。そのあと上へ上へまっすぐ伸びていった。 *芽が出るときは3種類とも芽から出て、葉はその後に伸び始めることが分かった。 *アレチマツヨイグサの出たばかりの芽は赤味がかかっていた。 *バラバラに蒔いたものについては2つ以上が2つ以上がとなり同士になったとき、ビロードモウズイカとアレチマツヨイグサでは伸び方が違った。
○芽の伸びている様子を観察していると、発芽の後の育ち方も、影響があるのではないかと考えるようになった。 ○コスモスの発芽を見て思ったが、種の大きさも関係あるのではないかと思った。 |
5、感想・残った疑問 |
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○観察した次の日には、ビロードモウズイカが刈られているのに気がついた。街の中では人間の影響がだいぶありそうだと思った。 ○種の数、種の大きさ、発芽率、その後の成長速度、種の作り方、背の高さ等々。仲間を増やしていくためには、いくつものことが関係しているなではないかと思った。 ○園芸種として明治時代に輸入したビロードモウズイカは、以前新聞で人達から邪魔になるようだが、これからどうなっていくのだろうか。 ○ビロードモウズイカ、アレチマツヨイグサ、コスモスは折れ曲がっても立ち上がっていた。これにはおどろいてしまった。 |